XROUNDは成立当初より「聴覚体験を再定義する」という使命を原動力及びブランド理念として、音響技術のイノベーションと研究開発に取り組んでいます。
2017年の世界最小3Dサラウンドプロセッサー「XPUMP」や、空気力学をもとに設計されたカナル型イヤホン「AERO」、そしてVGP2021を受賞した完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」等々を次から次へと開発し、音の魅力を最大限に引き出し、誰にでも気軽に音の楽しさを体験していただけるよう日々励んでおります。
前作の有線イヤホン「AERO」が発表後、第二弾の製品にどのような機能を追加すればよいのかを考え始めています。
XPUMPのようなサラウンドエフェクターが搭載されたType-C対応バージョンにするか、それとも左右一体型のBluetoothイヤホンにするかなど、様々な方向性を考案したのですが、イヤホン製品市場の急速な変化とBluetooth技術の急成長から勘案した結果、左右分離型の「完全ワイヤレスイヤホン」の開発に取り組むことに決定し、そこで「AERO 完全ワイヤレスイヤホン」が生まれた次第です。
本文では、その開発ストーリーを紹介します。
AERO シリーズの設計理念と開発ストーリー
1.設計理念について:
ゲームサウンドは音楽と同じくらい、暮らしの大事な楽しみの一つです。 XROUNDはどちらの要望も満たすイヤホンを作ろうと考えています。
2.ハードウェア、機能性について:
まず、チップの実現可用性については、およそ2019年から、台湾の大手チップメーカーと共同開発を着手しました。
両社の開発チームが様々な試行錯誤を重ね、特製チップの導入による低遅延の実現可能性を確認した上で、本格的にAERO完全ワイヤレスイヤホンの開発プロジェットをスタートします。
AEROのBluetoothチップについては、6ヶ月以上の試行錯誤や検証テストを繰り返し、接続安定性と低遅延アルゴリズムの作動を実現し、そしてアプリ操作との連動や、独自のサラウンド技術「XROUND Lite™」などをコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンに移植することにも成功しました。
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次、通話品質の面では、AEROはマイクアレイによるノイズ抑制技術を採用し、片方ずつに2本のマイクを交差角が垂直90度、距離が10mmになるように配置し(計4本のマイクを搭載)、音の方位を特定し、集音の指向性を高め、クリアで高品質な通話を可能にしています。
▼専門機器による通話品質のテスト
さらに、外見(デザイン)の面では、本来AEROイヤホンの音筒部と根っこの角度を90度に設計しましたが、「サウンド体験適合性デザイン」というこだわりにて、ゲーマーなど長時間使用のユーザーのご要望に応えようと、心地よい装着感と高音質なサウンド体験が両立できるように、何度も角度を調整し続け、最終的には人耳に最もフィットする60.2度に修正しました。
▼心地よい装着感を追求するため、3Dモデルで度も校正を行いました
▼根っこと本体との角度調整
長時間着けていても快適さが持続し、いつでもどこでも心地よく高音質を楽しめます。
最後は操作設計。AERO完全ワイヤレスイヤホンの操作面ではスワイプタッチ式に設計し、従来のタップ式による誤作動を回避するだけでなく、より多くのイヤホン操作機能を追加することもできました。
3.技術、ソフトウェアについて:
①【「XROUND Low Latency™」低遅延アルゴリズム】
- 長所:特定のスマートフォンやデバイスを使わなくても低遅延を実現可能。ラボで実測した遅延時間のデータでは54ms
- 短所:発信側(端末)のチップ(イヤホン)のクオリティと安定性に多少影響されてしまう可能性あり
②【特許「XROUND LiteTM」サラウンド技術】
Bluetoothイヤホンのチップは、信号伝送量や電力消費などの制限があるため、立体なサラウンド効果など電力消費量の高い技術をコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンで実現するのは難しいです。そこで、Bluetoothチップメーカーとの共同開発で、プロセッサーのXPUMPのサラウンド技術を改善し、ようやく独自サラウンド技術「XROUND Lite™」をAEROに組み込むことに成功しました。
コンパクトなAERO完全ワイヤレスイヤホンでもバーチャルな音場が立体的に浮き上がり、しっかりと広さと奥行のあるサラウンド音声が作り出され、臨場感あふれる音を堪能することができます。そして音の位置や距離をはっきり感じ取れ、VRクラスの3D球体サラウンドサウンドと没入感満載の音の宴を楽しめます。
▼XROUND Lite™ サラウンド効果を専用アプリ「MyTune」でオンにする時に表示されるアイコン
③【専用アプリ「XROUND MyTune」】
アプリの使用は現代社会において日常茶飯事のように思われがちですが、対応する製品の機能やコマンドが複雑になればなるほど、UXとUIをどのように設計すればユーザーにとってよりスムーズに使用できるかは、プロジェット起案以来の課題となっています。
Bluetooth音声信号の伝送と異なり、スマホアプリでは、「Bluetooth Low Energy」(通称「BLE」)という通信技術を通じないと、ワイヤレスイヤホンと連動しコントロールすることができません。
さらにすべての操作を実行するには、アプリをイヤホンとリアルタイムで同期させる必要があります。アプリ内でイコライザー調整はもちろん、AERO独自搭載のサラウンドサウンド効果、音楽/ゲーミングモードの切替などの機能も問題なく使用していただくことも開発チームにとって大きな課題となっています。今後もファームウェアアップグレードを通じて、より改善された機能を提供したいと思います。
▼MyTuneアプリ、試行錯誤をしながらUX最適化設計を模索
そして、「MyTune」アプリの日本語化作業も進んでいます。(2021.3発表済み)
- モード切替
- 7バンドのイコライザー調節
- 6種類のイコライザー選択(プリセット、両モードにも対応)
- XROUND Lite™ サラウンド効果のオン/オフ & レベル切替
- タッチ操作の変更(カスタマイズ)
など様々なアプリ機能を通して、自由に「自分だけの音」を作り出すことは可能です。
「聴覚体験を再定義する」というXROUNDのブランド理念を貫き、音楽を愛し、オーディオ製品を通してよい体験を追求する人々のために、より特別なオーディオ製品を届けたいと考えています。今後もより良い製品を届けできるよう頑張って行きます。
引き続きよろしくお願いします!
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