XROUND製品紹介を調べる時に、よく”XROUNDの3Dチューニング”や”リハーブ、残響音”などの名詞を見かけると思いますが、本文では、これらの技術についてわかりやすく説明したいと思います!
※人の耳はそれぞれ違う聴感を持っています。この記事は実験室の測定と自社の研究結果に基づいて作成したものです。
周波数特性グラフ(Frequency response)
イヤホンを調べる時に、よく”周波数特性グラフ”を見かけると思いますが、その見方はあまり説明されていませんと発見しました。
なので、このグラフの情報がどのように役に立つのか説明したいと思います。
例として、XROUNDブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」の周波数特性グラフを見てみましょう。X軸は周波数(Hz)、Y軸は音圧レベル(dB)を示しています。おおむね5つの帯域に分けられます。
低音域(青いブロック):
200Hz以下の帯域で、ドラム、ベースがこの音域にあたります。
低音域が強い場合、ズンズンなリズムが感じられますが、強すぎると、他の音域が聴きづらい場合があります。 一方、低音が弱すぎる場合、重量感が足りない聴感になってしまいます。
中低音域(オレンジのブロック):
通常は200~700Hz付近の音域を指します。声域でいえばバス(Bass)、楽器でいえばギターなどがこの音域に当たります。
程良い中低音があれば、ウォームな聴感が得られます。強すぎると、ボーカルがあいまいになりますが、逆に弱すぎると、全体的の聴感が薄くなります。
中高音域(グレーのブロック):
700Hzから3000Hzの間の帯域で、女性ボーカルやギターのバズ音、ヴァイオリンなどがこの音域に当たります。この帯域が目立たば、女性ボーカルが明るく聴こえるようになります。
強すぎると電話のような機械音になってしまい、聴き疲れる可能性があります。一方、弱い場合はボーカルのボリューム感が足りないとなってしまいます。
高音域(黄色のブロック):
3000Hzから7000Hzの間の音域です。人の耳が最も敏感な帯域とも言われます。例えばヴァイオリンの弦の摩擦音など。
適度な高音域は緻密で繊細な音を表現できますが、乏しい場合は貧弱な音になります。
超高音域(緑のブロック):
一般的には7000Hz以上の帯域を指し、ヴァイオリンのハーモニクス(倍音)がこの帯域の代表音です。
この帯域は人の耳が空間性を感じたり、方向性を判断する上で重要な部分ですが、実は人の耳はこの音域にあまり敏感ではありません。
ちょっと強めだと、音の空間性と方向性ははっきり聴こえるようになります。一方、弱めだと、音場が狭くなったり、空間表現が弱くなったりします。
以下の周波数グラフを見ると、VERSA 完全ワイヤレスイヤホンは全体的のバランスがよく、ボーカル(中高音域)が目立つようにチューニングされています。
CSD三次元解析グラフ(Cumulative Spectral Decay)
CSDグラフとは、上の周波数特性グラフに時間を示す「時間推進データ」をZ軸が追加されたもので、各周波数帯域の「リバーブ(=残響)の減衰スピード」を視覚化しています。
市販のイヤホンの紹介では、2Dの周波数特性だけでチューニングされたものが多いです。しかし、2D周波数特性グラフが似たように見えるのに聴感がまったく違うというものも少なくありません。
なぜそうなるかというと、各音域の「リバーブの減衰スピード」が聴感を大きく左右しますが、2D周波数特性グラフではそれが見えないからです。
ここで同じ、CSDグラフを5つの帯域に分けて、リバーブの減衰スピードによって、聴感にどんな影響があるのかを説明します。
低、中低音域(青とグレーのブロック/700Hz以下):
この帯域のリバーブの減衰スピードが速い場合、パンチのある低音と明瞭なボーカルというクリアな聴感が得られます。減衰スピードが遅い場合、イヤホンと耳の間の空気漏れが少なく、より良い遮音効果と厚みのある音になります。
中高音域(オレンジのブロック):
700Hzから3000Hzの間で、ボーカルの中心帯域であります。リバーブの減衰スピードが速すぎると、ボーカルが貧弱になってしまうので、丁度いいスピードであれば透き通るボーカルが得られます。
高音域(黄色のブロック):
減衰スピードが遅すぎる場合、耳に刺さる音となってしまう可能性があります。
超高音域(緑のブロック):
人の耳はこの帯域にあまり敏感ではないため、減衰スピードが遅いほど、より音場の広がりを感じられます。
VERSA完全ワイヤレスイヤホンにSpinFitイヤーピースを装着する場合、低音域のリバーブ減衰スピードが速く、超高音域(一番右側)の残響音が続くため、タイトな低音と優れた空間表現が感じられます。全体的にバランスが良くて、輪郭のはっきりした音なので、女性のボーカルやクラシックなどの音楽に適しています。
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遮音イヤーピースを使う場合、低音域の減衰スピードがSpinFitより遅く、豊かな低音を提供できます。ポップやラップなどのジャンルの音楽に合います。
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CSD図には、周波数特性グラフの見えない「各イヤーピースの聴き心地」と「各音域の量」というデータが入手でき、製品開発の際に非常に助かり、毎回の新製品に対して、この技術でより繊細かつ立体的なサウンドを提供することができました!
今後ともXROUNDならではのサウンドにお楽しみに!▶AERO ワイヤレス 詳細ページへ
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